Infineon Technologies / パートナー(QuantumCore社)

エッジAIとレザバーコンピューティングのセンサーマッチング技術

株式会社QuantumCoreは東京に拠点を置く、日本で唯一レザバーコンピューティングを活用した次世代時系列処理基盤技術の開発・提供と導入支援を行っている企業であり、レザバーコンピューティングとエッジAIを組み合わせた次世代型ソリューションを提供するスタートアップです。
この技術は、ディープラーニングと異なり、少量のデータでもリアルタイムに教師あり学習や教師なし学習を実行し、高精度の推論を行います。これにより、エッジコンピューティングの特性を活かして、通信コストの削減とデータのプライバシー保護を実現しています。

特長

  • 少量データでのリアルタイム学習
    • 従来のAIモデル開発では大量のデータを必要としますが、QuantumCoreのレザバーコンピューティングは、わずか10秒程度のデータから異常検出などを行えるため、ビッグデータ不要で高精度な学習が可能です。また、教師あり学習では正解データを使った高精度なモデル構築ができ、教師なし学習では正常データのみを使って異常検知を実現します。

  • 超低消費電力
    • レザバーコンピューティングをエッジAIに適用することで、ディープラーニングと比較して1/10~1/100の消費電力で動作。電池駆動のデバイスで数時間の動作が可能であり、エッジデバイスでの長時間稼働に最適です。

  • 高セキュア
    • エッジデバイス上でデータの推論と学習を行うため、データをクラウドに送信する必要がなく、プライバシーを守りながら解析を完結できます。カメラを使用せずに、ミリ波レーダーやIRセンサーを活用して人物認識やバイタル検知を行うなど、プライバシー配慮が必要なシーンでも適用できます。

  • ディープラーニングを超える性能
    • 話者識別では99%以上の精度、心電データの疾患推定で93%、振動による動作特定で94%の精度を達成。従来のエッジAIよりも高い精度での時系列データ解析を実現しています。

製品ラインアップ

QuantumCoreは、レザバーコンピューティング技術を活用するための4つの製品を展開しています。

Qore SDK レザバーコンピューティングの開発用ライブラリ。PythonやC言語、ARM® Cortex®-Mシリーズのマイコンに対応し、マイクや振動センサーから得られる時系列データのリアルタイム解析を実現します。
WebQore Web API経由でレザバーコンピューティング技術を利用するソリューション。音声、振動、電流、画像などの時系列データをリアルタイムで解析可能です。データをAPIで送信するだけで高精度な時系列処理が行え、クラウドやエッジデバイスへの組み込みも簡単です。
EdgeQore Python/C言語やARM® Cortex®-Mシリーズに対応するエッジAI向けのソリューション。エッジデバイスでの推論・学習が可能で、電池駆動のデバイスでも低消費電力で動作します。センサーから取得するデータをエッジで解析し、リアルタイムでの異常検知や予測に使用します。
QORE CLOUD ノーコードでレザバー構成・エッジデバイスへのデプロイをサポートするクラウドプラットフォーム。クラウド上で設定したレザバー構成をエッジデバイスに直接デプロイ可能で、ESN(Echo State Network)や物理レザバーの構成にも対応します。

対応可能センサー

QuantumCoreのソリューションは、さまざまなセンサーと連携し、以下のようなデータを解析します。

  • MEMSマイク:
    音声データから話者認識や異常音検知を行い、99%の精度で話者を特定。
  • 振動センサー:
    ベアリングなどの工業機器の異常振動を検出。加速度センサーで異常を感知し、独自のAI技術でエッジデバイス上での解析を実現。
  • 超音波センサー:
    非接触での距離測定や物体認識に対応。
  • IRセンサー(IR-LED):
    温度測定や人体検知など、非接触での測定をサポート。
  • ミリ波レーダー/電波センサー(24GHz/60GHz):
    非接触でバイタル情報の検出や物体・人物のリアルタイム認識が可能。

  • 電流センサー:
    電流波形を監視し、電装系の異常検知や機器の動作状態の予測に活用。

実績と用途例

QuantumCoreの技術は産業機器から車載システム、ヘルスケア、IoTデバイスに至るまで、さまざまな分野で企業の業務効率化や新たなビジネスチャンスの創出に貢献しています。

産業機器

ヘルスケア

振動センサーを使った工業機器の異常振動検出では、独自のエッジAI技術により、ベアリング摩耗や設備の異常振動を高精度に検知します。これにより、工場の設備メンテナンスや異常検知の効率化を実現しています。

(関連動画)
「エッジAIソリューションを使用した振動データ異常検知」
収集データが正常/異常かの判断にQuantumCore社のエッジAIソリューションを使用したデモ動画です

ミリ波レーダーを用いた非接触のバイタルデータ取得では、呼吸や脈拍の検知を高精度で行い、健康状態のモニタリングや見守りサービスに応用しています。これにより、施設や在宅医療での非接触センサリングが可能になります。

 

音声認識

車載機器

自動議事録作成やユーザー定義のキーワード認識をエッジデバイスで実現。音声認識では、少量データによる学習で99%の精度を達成し、会議システムやスマートデバイスの音声操作に活用されています。 車載電子ユニットの動作判定をエッジデバイスで行う技術により、車両内の複数機器の状態をリアルタイムに監視し、異常検知や予防保全に貢献しています。

 

デモキット

音源分離デモキット

音源分離デモキットは、EdgeQore Liteを使用して音源認識を行うデモ機です。このキットは、インフィニオンの評価ボード(CY8CKIT-062-Wifi-BT)にQuantumCoreの音源分離技術を組み込み、複数の音源をリアルタイムで分離・認識します。マイクやディスプレイ、タッチボタンを使用して操作が可能で、最大4つの音源を学習し、それぞれを高精度で判定する機能を備えています。音声認識や環境音の分離、異音検知など、さまざまな応用が可能です。

  • 主な機能: 複数音源のリアルタイム認識、簡単な操作、音声学習
  • 用途例: 音声認識システム、環境音解析、異音検知

メーカー製品サイト:CY8CKIT-062-Wifi-BT

ミリ波レーダーデモキット

ミリ波レーダーデモキットは、インフィニオンのマイコン(PSoC 6)とミリ波レーダー(BGT60TR13C)を搭載した評価ボード(XENSIV KIT CSK BGT60TR13C)を使用し、人物認識やバイタルデータ取得を行うエッジAIデモキットです。少量データでも精確な結果を得られるのが特徴で、ミリ波の反射波を読み取り、人物の検知、領域内外の判断、呼吸や脈拍の測定が可能です。USB接続で簡単に動作し、エッジでのリアルタイム処理が可能です​。

  • 主な機能: 人物認識、領域検知、バイタルデータ取得
  • 用途例: ヘルスケアモニタリング、セキュリティシステム

メーカー製品サイト:BGT60TR13C
          XENSIV KIT CSK BGT60TR13C

お問い合わせ / お申し込み

aaaa

お見積り・資料請求・技術的なお問い合わせ等

ページの
先頭へ