個人投資家の皆様へ
為替リスクヘッジについて
個人投資家の皆様へ、東京エレクトロンデバイスの決算上の特徴についてご説明します。このページでは、為替リスクヘッジについて解説します。
為替リスクヘッジについて
東京エレクトロンデバイスは、半導体など主に外国製の最先端製品を扱う専門商社です。商品の仕入れの大半は外貨建て(米国ドル通貨)での取引であるため、ドル建て売上取引の推進及び先物為替予約の実施により為替変動のリスクヘッジを行っています。
ドル建て売上取引
主要な顧客は日本企業や日系現地法人ですが、ドル建て または 為替変動に応じた円建てでの販売比率を高めることで、為替変動による仕入時の損益影響を最小限にするよう努めています。
先物為替予約
外貨建ての仕入・売上取引については、主に商品仕入前に先物為替予約を締結することにより、早期に円貨ベースでの利益確定を行っています。
ただし、外貨建て売上と仕入は会計上は計上レート(発生時のレート)を用い、債権債務の決済時に為替予約レートとの差額を差損益として計上するため、多額の為替差損益(営業外損益)が表示される場合がありますが、経常利益では一定の利益が確保されています。
例)円安進行時に、15ドルの商品を20ドルで販売する
為替予約レート:1ドル110円
仕入時 計上レート:1ドル110円
販売時 計上レート:1ドル120円の場合

損益計算書 (計上レート) |
債権債務の決済 (為替予約レート) |
|
---|---|---|
売上高 | 20×120=2,400円 | 20×110=2,200円 |
原価 | 15×110=1,650円 | 15×110=1,650円 |
売上総利益 | 2,400-1,650=750円 | 2,200-1,650=550円 |
為替差損 | 200円 |

為替予約をしているため、債権債務の決済による実質の売上総利益は550円ですが、損益計算書に仕入・売上は発生時レートで計上するため、仕入より売上が円安レートで計上され売上総利益が750円となり、200円分増加しています。一方、為替予約レートによる決済により、営業外費用の為替差損が同額の200円計上され相殺されます。
例)円高進行時に、15ドルの商品を20ドルで販売する
為替予約レート:1ドル120円
仕入時 計上レート:1ドル120円
販売時 計上レート:1ドル110円の場合

損益計算書 (計上レート) |
債権債務の決済 (為替予約レート) |
|
---|---|---|
売上高 | 20×110=2,200円 | 20×120=2,400円 |
原価 | 15×120=1,800円 | 15×120=1,800円 |
売上総利益 | 2,200-1,800=400円 | 2,400-1,800=600円 |
為替差益 | 200円 |

為替予約をしているため、債権債務の決済による実質の売上総利益は600円ですが、損益計算書に仕入・売上は発生時レートで計上するため、仕入より売上が円高レートで計上され売上総利益が400円となり、200円分減少しています。一方、為替予約レートによる決済により、営業外費用の為替差益が同額の200円計上され相殺されます。
まとめ
- 当社は為替リスクヘッジのため、先物為替予約と外貨建て売上取引を行っています
- 先物為替予約では、計上レート(発生時のレート)と為替予約レートとの差により、売上総利益の増減が生じますが、為替差損益の計上により相殺するため、経常利益においては為替変動の影響は軽微です