2024.03.21
AI の画像分類・認識技術を活用した外観検査による良否判定
工場内にはいまだに熟練作業者の目視に頼って仕掛品や製品の品質検査を行っているラインが数多く
残っており工場全体の生産性を阻害するボトルネックのひとつと言われています。本資料では対象物の判別データをもとにAI の画像分類・認識技術で良否判定を自動的に行うプラットフォームを解説します。
目視検査から脱却できない製造現場の課題
概要
多くの生産現場には、ラインを流れてくる仕掛品や製品の画像を産業用カメラで高速に取り込んで処理する、いわゆるマシンビジョンのシステムが導入され、品質の自動検査やプロセス制御に役立てられています。
しかし、このマシンビジョンで対応できる範囲には制限がある、のが実情です。「生鮮食料品のように対象物の形や大きさ、色もバラバラで画像処理による外観検査ではOK(良品)/NG(不良品)を判別できない」「吊り下げ式のマテハン装置でラインを流れてくる対象物は揺れが大きく位置決めが困難」「複数の製品が同時に流れてくるラインでは複数の検査ロジックを切り換えられない」などの理由で、工場内にはいまだに熟練作業者が目視で検査を行っているラインが数多く残っています。
こんなケースもあります。ある食品メーカーは製品に金属片や毛髪などの異物が混入するのを防ぐためにX 線画像検査装置を導入しているのですが、年に1 ~ 2 回といったごくわずかな頻度で、この仕組みでは対応できない異物混入が発生しています。製造工程の何らかの理由で製品の容器が破損し、その破片が混入した場合などは、破片の素材が容器とまったく同じものであることから、異物と判定されずX 線検査装置による判別をスルーしてしまうのです。