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2026.01.09

クラウド生成AIサービスを活用した日常業務「時短術10選」

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いつもの日常業務が「クラウド生成AIサービス」を利用することによって劇的に効率化することはご存じでしょうか―――。メールの作成、議事録の要約、プレゼン資料の骨子づくりといった日々のルーチンワークの生産性が生成AIで飛躍的に高まる「時短術10選」を、ここでは具体的なAIプロンプトの書き方も交えながら紹介します。


生成AIでより付加価値の高い業務へシフト

ここ最近、クラウド生成AIサービスは急速に進化し、私たちの日常業務を大幅に効率化するツールとして注目を集めています。従来は人手に頼っていた作業も、生成AIを活用することで短時間かつ高品質に仕上がるようになり、ビジネスのスピードと精度が格段に向上しています。その結果、業務生産性が最大化され、私たち人間はより創造的で付加価値の高い仕事に集中することが可能となります。

以下、生成AIを活用して働き方を変える「時短術10選」を実践的に紹介します。

①ビジネスメールのドラフト作成

ビジネスメールの作成は日常的に発生する業務ですが、その都度、文面を考えたり表現に配慮したりしていては大きな負担になりがちです。生成AIを活用すれば、伝えたい要件や条件を簡潔に入力するだけで、適切な敬語や文構成を備えたメール文案を短時間で生成することが可能です。とくに依頼、日程調整、謝罪といった定型的なメールでは効果が高く、ゼロから文章を考える必要もなくなります。作成された文面を最終確認し、自社や相手先に合わせて微調整するだけで送信できるので、メール対応に追われる時間を短縮して心理的な負担も軽減します。

●お勧めの主なサービス:

OpenAI ChatGPT、Google Gemini、Microsoft Outlook Copilot

●AIプロンプトの例:

取引先に納期が1日遅れることをお詫びするビジネスメールを作成したい。できるだけ丁寧で誠実な表現にする。

ビジネスメールのドラフト作成:ChatGPTを利用した場合のアウトプット例

ビジネスメールのドラフト作成:ChatGPTを利用した場合のアウトプット例

②会議議事録・要約の生成

会議後の議事録作成は担当者にとって時間と集中力を要する作業です。生成AIは会議の文字起こしデータを基に内容を理解し、議論の要点や決定事項、次のアクションを整理した形でまとめてくれます。単なる要約ではなく、話題ごとの整理や担当者の明確化も行えます。これにより、従来は会議以上に時間がかかっていた議事録作成作業が数分で完了し、会議直後に参加者・関係者へ共有することが可能です。情報共有のスピードが向上することで意思決定や次の業務への移行がスムーズになり、会議そのものの価値を高める効果も期待できます。

●お勧めの主なサービス:

Microsoft Teams Copilot、Zoom AI Companion、Anthropic Claude

●AIプロンプトの例:

会議の文字起こし原稿から内容を要約し、「決定事項」「今後の課題」「担当者別アクション」に分けて整理する。

会議議事録・要約の生成:Word Copilot を利用した場合のアウトプット例

会議議事録・要約の生成:Word Copilot を利用した場合のアウトプット例

注:会議の議事録作成はMicrosoft Word Copilotでも作成できます。会議の音声または動画ファイルをWordに読み込んで文字起こしを実行(ディクテーション→トランスクリプト)し、ドキュメントに追加してからCopilotを呼び出します。「Copilotへメッセージを送る」の欄にAIプロンプトを入力すれば会議の内容を要約した議事録が作成できます。TeamsやZoomを無料ライセンスで利用している場合に有効です。

③PDF・マニュアルのポイント抽出

分量の多い資料やマニュアルを最初から最後まで読むことは時間的に現実的ではありません。生成AIを使えば、PDFや文書全体を読み込ませたうえで、特定の観点に絞ったポイント抽出が可能です。例えば自社業務に関係する部分だけを抜き出したり、重要な注意点やリスク項目を要約したりといった使い方ができます。これにより資料の読解にかかる時間を大幅に短縮しつつ、必要な情報の取りこぼしを防ぎます。調査や確認作業の効率が向

上することで、判断のスピードと質の両立を実現します。

●お勧めの主なサービス:

ChatPDF、Google Gemini、Adobe Acrobat AI

●AIプロンプトの例:

アップロードしたPDFマニュアルの中から、運用時に注意すべきポイントと禁止事項を抜き出して、簡潔に要約する。

PDF・マニュアルのポイント抽出:ChatPDFを利用した場合のアウトプット例

PDF・マニュアルのポイント抽出:ChatPDFを利用した場合のアウトプット例

④企画書・プレゼン構成のアイデア出し

企画書やプレゼンテーション資料の作成では構成やアイデアを考える最初の段階に最も時間を要します。生成AIを活用すれば、目的やターゲットを伝えるだけで複数の構成案や切り口を提示してもらえます。これにより白紙から考え始める負担が軽減され、短時間で全体像を描けるようになります。また提示されたアイデアを基に修正や深掘りを重ねることで、内容の抜け漏れを防ぎ、論理的な構成に仕上がります。企画立案の初動が速くなり、質の高い資料を効率的に作成できるという効果が得られます。

●お勧めの主なサービス:

OpenAI ChatGPT、Anthropic Claude

●AIプロンプトの例:

自社サービスからビジネスマンをターゲットにした新しいサービスの企画書を作成したい。プレゼン構成の素案をスライドごとの見出し付きで提案してほしい。

企画書・プレゼン構成のアイデア出し:Claudeを利用した場合のアウトプット例

スライド資料の作成には、内容よりもレイアウトやデザイン調整に時間を取られることが少なくありません。生成AIはテーマや要点を入力するだけで、構成・文章・デザインを含むスライド案を自動的に生成するため、デザインの統一感を保ちながら短時間で一定水準以上の資料が作成できます。作成後は数字や表現などを確認し、必要に応じて修正するだけで済むので、作業効率が大幅に向上します。資料作成にかかる時間を削減できれば、発表の準備や内容の精査などにより多くの時間を費やせます。

●お勧めの主なサービス:

●AIプロンプトの例: 新規事業の社内説明用として、目的・背景・期待効果を整理した10枚程度のプレゼン資料を作成したい。シンプルでビジネス向けのデザインにする。

スライド資料の生成・デザイン最適化:PowerPoint Copilotを利用した場合のアウトプット例

スライド資料の生成・デザイン最適化:PowerPoint Copilotを利用した場合のアウトプット例

文章作成後の校正は集中力を要するとともに時間がかかる作業です。生成AIを活用すれば、誤字脱字や表記揺れの指摘だけでなく、表現の改善や簡潔化も提案してくれます。人手による校正と比べて短時間で一定品質を確保できるので、最終チェックの負担が軽減されます。文章作成から公開・共有までのリードタイムを短縮できるのに加え、読み手にとってわかりやすい文章へ整えることで、伝達力を高める効果が期待できます。

●お勧めの主なサービス:

朝日新聞 Typoless、ウェブライダー 文賢、Grammarly(英語)

●AIプロンプトの例:

アップロードした文章を社内向け資料として読みやすく簡潔に修正したい。内容は変えず、冗長な表現を整理する。

文章校正・品質改善:Typolessを利用した場合のアウトプット例

文章校正・品質改善:Typolessを利用した場合のアウトプット例

⑦翻訳・英文作成の高度化

生成AIの翻訳機能は海外取引先とのメール作成や資料のやりとりにおいて威力を発揮します。単語レベルの翻訳ではなく、直訳による違和感や誤解を減らしながら、文脈や意図を踏まえた自然な表現を生成することが可能です。とくに英文メールでは、丁寧さや婉曲表現といったニュアンスも欠かせませんが、生成AIに意図を伝えれば適切な表現を提示してくれます。これにより語学力への不安から生じる確認作業や修正の手間が減り、コミュニケーションのスピードが向上して、グローバル対応業務の負担軽減と品質向上を同時に実現できます。

●お勧めの主なサービス:

Google Gemini、OpenAI ChatGPT、DeepL Write

●AIプロンプトの例: アップロードしたメールの文面を海外取引先向けに失礼のない丁寧なビジネス英語に翻訳してほしい。要点は簡潔にし、やや控えめな表現にする。

翻訳・英文作成の高度化:Geminiを利用した場合のアウトプット例

情報収集では複数のWebサイトを巡回し、内容を比較・整理する作業に多くの時間がかかります。生成AIは特定のテーマについて、インターネットの情報を横断的に収集し、要点をまとめた形で提示します。さらに参照元を確認できるため、信頼性のチェックも容易です。これによって調査の初期段階にかかる時間が大幅に短縮され、より深掘りが必要なポイントだけに集中できます。市場調査や競合分析といったスピードが求められる場面ではとくに有効です。

●お勧めの主なサービス:

●AIプロンプトの例:

当社製品カテゴリーの市場動向について、主要トレンドと課題を出典付きでわかりやすく整理してほしい。

インターネット調査の効率化:Perplexity AI を利用した場合のアウトプット例

インターネット調査の効率化:Perplexity AI を利用した場合のアウトプット例

Excelを活用した業務では関数や集計方法を調べる時間が積み重なって非効率になりがちです。生成AIを使えば、「やりたいこと」を自然文で伝えるだけで適切な関数や計算ロジックを即座に提示してもらえます。単に数式を示すだけでなく、その意味や使い方まで説明されるので、理解しながら作業を進められます。繰り返し発生する作業はマクロやスクリプトの作成を依頼し、作業を自動化することも可能です。これにより検索や試行錯誤に費やしていた時間を削減し、データ分析や判断といった業務に集中できます。

●お勧めの主なサービス:

●AIプロンプトの例:

A列の日付とB列の売上データを基に、月別の売上合計を自動算出する関数を作成してほしい。初心者がわかりやすい解説もつける。

Excel関数・業務ロジックの生成:Excel Copilotを利用した場合のアウトプット例

Excel関数・業務ロジックの生成:Excel Copilotを利用した場合のアウトプット例

生成AIは主要なオフィスアプリケーションをはじめ、さまざまなアプリケーションを使った業務の自動化にも役立ちます。自動化したい処理の内容を自然文で伝えることで、スクリプトや自動化ロジックを提案してもらえるので、プログラミングの経験がなくても業務自動化に取り組めます。毎日繰り返している定型業務を自動化する仕組みが用意されれば、担当者は確認や判断といった付加価値の高い業務に集中できるようになり、大幅な業務効率化が実現できます。

●お勧めの主なサービス:

●AIプロンプトの例: GoogleスプレッドシートのA列にある会社名をWeb検索し、各社のURLをB列に自動入力するスクリプトを作成する。

アプリを使った業務の自動化:Geminiを利用した場合のアウトプット例

アプリを使った業務の自動化:Geminiを利用した場合のアウトプット例


ここまでクラウド生成AIサービスを活用した「時短術10選」を実践的に紹介しました。生成AIは単なる効率化にとどまらず、働き方そのものを変える可能性を秘めています。身近な業務から徐々に試しながら効果を実感することで、業務時間に余裕が生まれ、より付加価値の高い業務へとシフトしていけるようになるでしょう。

富樫純一 / Junichi Togashi

ITジャーナリスト/テクニカルライター
米国IDGグループの日本法人、旧IDG Japanに入社。
「週刊COMPUTERWORLD」誌 編集記者、「月刊WINDOWS WORLD」誌 編集長、「月刊PC WORLD」誌 編集長などを経て2000年からフリーに。以来、コンシューマーからエンタープライズまで幅広いIT分野の取材・執筆活動に従事する。技術に加え、経営、営業、マーケティングなどビジネス関連の執筆も多い。

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