2011年10月20日
<インレビアム関連>
超低リップルノイズ小型電源モジュールの販売を開始
〜短期間・省スペースでの電源回路設計を実現〜
東京エレクトロン デバイス株式会社(本社:横浜市神奈川区、代表取締役社長:栗木 康幸、以下TED) は、リニアテクノロジー社LTM4601搭載の評価用超低ノイズ小型電源モジュール「TD-BD-LTM4601LNシリーズ」を、10月20日に販売開始しました。
近年のFPGAやCPUなどの高集積デバイスの微細化に伴い、周辺の電源に対しての要求は複数の電圧が必要で、さらに、低電圧、大電流、高精度と厳しくなっています。また、電源仕様は基板設計の終盤になるまで確定しないため、回路設計者は限られた時間とスペースでの高度な電源回路の設計を強いられています。
本モジュールは、抵抗、コンデンサなどの周辺部品の選定やレイアウトが完了しており、1V・12A出力時に平均6mVの低リップルノイズを実現しています。また、50 mm×36 mm×10mm と小型で、標準コネクタを搭載しているため、基板の省スペース化と迅速な評価環境の構築が可能で、お客様の開発期間の短縮を実現します。
【製品の特長】
・低リップルノイズを実現
1V・12A出力時に平均6mVの低リップルノイズを実現しています。従来製品と比較して80%程度のノイズを抑制しています。
・低EMIノイズを実現
サイバネットシステム株式会社によるEMI(EMI:Electro Magnetic Interference)検証の実施により、
1GHzまでの周波数領域において-20dB以下を実現しています。
・等長配線が容易
今まで複数電源を配置する際に難しかった等長配線が容易になります。これによりFPGAで要求される
POLを実現できます。
・基板面積の削減
2.54mm標準コネクタを搭載しているため最小10mm幅での実装が可能で、さらに、最大6枚の並列搭載も可能です。平面に回路を実装した場合に比べ、同じ面積で4回路分実装することが可能です。
・開発期間の短縮
標準コネクタの搭載によりユニバーサル基板に手元で実装が可能なため、すぐに評価を始めることができます。また、株式会社ビー・テクノロジーの協力によりリニアテクノロジー社提供のシミュレータ「LTspice W」で動作する回路モデルも用意し、並列接続や電源シーケンスの設定を容易に行えるようにしました。
【製品の仕様】
入力電圧範囲:4.5V〜12V(最大定格16V)
出力電圧範囲:1V
最大出力電流:12A
本モジュールのEMI検証の実施にご協力いただいた、サイバネットシステム株式会社 EDA事業部 EDAソリューション部 技術スペシャリスト 廿楽 孝之(つづらたかゆき)氏は次のように述べています。「リニアテクノロジー社のデバイスに加え、高機能コンデンサなどの高性能部品を含む回路と、EMIシミュレーションを活用した最適化設計により、計測器メーカー製リニア電源装置に迫るような低ノイズと、スイッチング電源の高速過渡応答性を持った、驚くべき電源モジュールが出現しました。
この電源モジュールを採用することによりCPU/FPGA基板のパワーインテグリティ問題がほとんど片付いてしまうだけでなく、特徴を生かした幅広い用途が期待できます。」
シミュレーションモデル作成にご協力いただいた、株式会社ビー・テクノロジー代表取締役社長 堀米 毅氏は以下のように述べています。「電流負荷の増加により電源設計はますます難しくなっていますが、本モジュールの登場により設計者の負担が大幅に軽減されるものと考えます。シミュレーションモデルによる等価回路も用意していますので、併せてご使用いただくことによりお客様の設計効率向上のお手伝いができれば幸いです。」
TEDでは、大規模FPGAやCPU等、POL(Point of Load)を必要とする電源回路設計者向けの初期設計評価用モジュールとして、半年で1,000個を販売予定です。
【標準価格】
10,000円(税別)
【販売開始時期】
2011年10月20日
【製品写真ダウンロード】
http://www.teldevice.co.jp/news_release/download/LTM4601LN.zip
【電源ユニット搭載例】
【セミナーのご案内】
LTspice IVセミナー(初級編)
リニアテクノロジー社が無償で提供しているアナログ回路シミュレータ「LTspice W」の実践セミナーを定期開催しています。電源ICやOPアンプを用いたアナログ回路のシミュレーションを実際に行うことで、回路図の作成からシミュレーション結果の確認までの一連の流れを体験することができます。
本セミナーでは、TD-BD-LTM4601LNシリーズを使用した動作検証を行います。
また、学生向け特別セミナーを2011年12月1日に開催予定です。
日程、場所など、セミナー詳細:http://www.teldevice.co.jp/product/ltc/seminar.html
※ このニュース リリースに記載されている会社名、製品名は、各社の登録商標または商標です。
【サイバネットシステム株式会社について】
サイバネットシステム株式会社は、科学技術計算分野、特にCAE(※)関連の多岐にわたる先端的なソフトウェアソリューションサービスの提供を行っております。電気機器、輸送用機器、機械、精密機器、医療、教育・研究機関など様々な業種及び適用分野におけるソフトウェア、教育サービス、技術サポート、コンサルティング等を提供しております。構造解析、音響解析、機構解析、制御系解析、通信システム解析、信号処理、光学設計、照明解析、電子回路設計、汎用可視化処理、医用画像処理など多様かつ世界的レベルのCAEソフトウェアを取り扱い、様々な顧客ニーズに対応しております。また、ビジネスプロセスの効率化を実現する各種ソフトウェアの提供や、個人情報や秘密情報などの漏洩・不正アクセス対策、データのアーカイブと保護、認証強化などでクライアントPC・サーバのセキュリティレベルを向上させるITソリューションの提供をしております。
サイバネットシステム株式会社に関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
URL:http://www.cybernet.co.jp/
※CAE(Computer Aided Engineering):「ものづくり」における研究・開発時に、従来行われていた試作品によるテストや実験をコンピュータ上の試作品でシミュレーションし分析する技術。試作や実験の回数を劇的に減らすと共に、様々な問題をもれなく多方面に亘って予想・解決し、試作実験による廃材を激減させる環境に配慮した「ものづくり」の実現に貢献する
【株式会社ビー・テクノロジーについて】
株式会社ビー・テクノロジーは、半導体メーカー、電子機器メーカー、自動車メーカーにスパイスモデルおよびシミュレーションデータの提供を行っております。また、半導体部品、受動部品、バッテリーに関するスパイスモデル、約3,700モデルをスパイス・パークにて配信しています。小信号からパワー・エレクトロニクスまで回路解析シミュレーション分野にてソリューションの提供をしております。
株式会社ビー・テクノロジーに関する詳しい情報については、下記Webサイトをご覧ください。
URL:http://www.beetech.info/
【東京エレクトロン デバイス株式会社について】
東京エレクトロンデバイスは、半導体製品やビジネスソリューション等を提供する「商社ビジネス」と、お客様の設計受託や自社ブランド商品の開発を行う「開発ビジネス」を有する技術商社です。
URL:http://www.teldevice.co.jp/
【inrevium(インレビアム) について】
東京エレクトロンデバイスは、1985年に開設した設計開発センターの豊富な設計開発経験を活かして、お客様の要求に基づくデザインサービス(設計受託業務)と、市場のニーズを先取りした自社開発商品を、”inrevium(インレビアム)”ブランドで提供する開発ビジネスに注力しています。現在80種類を超える商品が提供されており、今後も高付加価値の開発ビジネスに取り組んでいく予定です。
inrevium専用サイトURL:http://www.inrevium.com/
【本件に関する報道関係からのお問合せ先】
東京エレクトロン デバイス株式会社 広報・IR室 堀田・福井
Tel:045-443-4005、Fax:045-443-4050
お問い合わせフォーム:https://www.teldevice.co.jp/cgi-bin/form/contact.php
【本製品に関するお客様からのお問合せ先】
東京エレクトロン デバイス株式会社 ハイエンドアナログ部 尾頭・三宅
Tel:045-443-4545、Fax:045-443-4063
WEB:http://www.teldevice.co.jp/product/ltc/contact.html